日仏ファミリーの日常

仏海軍フリゲート艦「プレリアル」見学ツアー


17年ぶりに横須賀に寄港したフランス海軍のフリゲート艦プレリアルを見学に行くチャンスをいただきましたので、一家でお邪魔してきました。
カズレーザーさんの自衛隊を紹介する番組を娘たちが大好きで、「兵隊さんカッコイイ」と言っているので、実物を見せてあげたいなと思ったのです。
私も国を守る軍人さんは尊敬してますし、アメドラのNCISも大好きです。
(ディノッゾがいなくなってから、フェイドアウトしてしまいましたが…)

フロレアル型のフリゲートの主な任務は、フランスの主権が及ぶ遠洋海域における哨戒活動である。平時には違法漁業取締り、艦船の航行監視、海上支援、海上における違法取引、情報収集などの活動を実施。
哨戒フリゲートはフランス本土から遠く離れた国々において、フランスを代表し、外交活動を行っている。その他、人道支援活動(在外仏人や難民の避難、アセットの地上展開支援、水陸両用作戦の支援)に従事することもある。

今回寄港した海上自衛隊の横須賀基地は、駅から徒歩数分のアクセスがいいベースになります。
隣にはフランスにゆかりが深いヴェルニー公園もあります。
日本近代化の起点ともいえる横須賀製鉄所をつくりあげたフランス人技師ヴェルニー氏にちなんだ公園です。
小さいですが、居心地のいい公園です。5月にはバラがきれいですよ。

フランス人アレンジなので、事前連絡がけっこうグダグダで集合時間の20分前くらいからベースの入り口に、フランス人がのった車がたまってました。
時間になると軍とのリエゾンの方と事務担当のフランス人、受け入れ担当の自衛官の方が入り口で受付してくれます。
自衛官の方も階級が高い方だろうに、こんな見学者の点呼などさせて申し訳なかったです。

受付でぼんやりしていたら、リエゾン担当の方が「あの~、前にどこかで会いましたよね。見覚えがある」と声をかけてくださって、別の場所でお会いした方だと分かりました。
在日フランス人のコミュニティってホント狭いんですよね。
軍人さんって厳しいイメージがあったので、声をかけて笑いかけてもらうと緊張がほぐれます。
全員そろったので、早速プレリアルに向かいます。
フリゲート艦なのでそんなに大きくありません。
昔乗ったクルーズ船の方がずっと大きいくらいです。

入り口のところにいらした船員さんとパチリ
お帽子がカワイイ。

船に乗ったらライフルを持った兵士が目の前に立っててかなりビビりました。
ニコニコしてるんですけど、手にはライフル…

女性兵士に船内を案内してもらいました。
船内は写真NGでしたので写真なしです。
何から何までクルーズ船とは大違いでございました。

パープリンの私は「うわぁ、NCISで見た船みたい」という感想です(笑)
こんな見識の持ち主なのに見学に行ってスミマセン。

船内はとにかく階段が急で運動音痴な私はえっちらおっちらという感じでの移動で、軍人さんからしたらもどかしかったことと思います。
イメージとしては、二段ベッドのハシゴのような階段があちこちにあるんですよ。
軍人さんはタタタっと降りてましたが、

上のデッキにはヘリコプター、下のデッキには違法取引の摘発に使うボートがありました。
ボートのエンジンはYAMAHA

戦闘指揮所(CIC)も見せていただきました。
デスクはですね~。ズバリフランスの役所の人のデスクに似てます
分かる人にしか分からないたとえでスミマセン。
フランスの古臭いオフィスを見たことない人にはどうやったら伝わるでしょうか?
ジュリーレスコーというフランスの刑事ドラマに出てくるデスクみたいでした。

廊下は狭いのですが、アベニューサインが貼ってある場所があって場所を説明するときに分かりやすそうです。

「バスティーユ広場で会おうね」みたいな。
NCISでは「B区画の何番通路」という説明だったので、それよりわかりやすそうに思いました。
通路の掲示板には日本の観光情報も掲示されていて微笑ましく思いました。
狭い艦内で何ヶ月も過ごしているので日本では温泉などでリフレッシュして、帰路に旅立っていただければと思います。

お部屋も見せていただきました。
見せていただいたのは2人部屋の「エリートの部屋」ということで、普通の人は6人部屋(だったかな?)とのことでした。それでも決して広くはないんですよ。
おそらく女性専用の部屋などは用意されてないでしょうし、お手洗いなども共用(きれいではない)みたいでした。
この艦には女性医師を含めて5人(うろ覚え)の女性が勤務しているとのことでしたが、労働環境としてはかなり厳しいなという印象を受けました。
それでも、へこたれない強い女性が勤務してらっしゃるんでしょう
娘がテレビを見て「将来兵隊さんになりたい」と言っていましたが、どうでしょう…こんな環境でやっていけるのでしょうか。
教会で見かける士官学校の生徒さんは折り目正しく本当に素敵な方ばかりで憧れているのですが、実際に勤務するのはタフでないと務まらないですね。

最後は艦橋を見学。
客船の操舵室に当たる場所です。
客船の操舵室よりもずっとコンパクトでした。
真ん中に艦長が座る椅子があり、パシャ(paşa)の椅子と呼ばれていました。
(パシャは高級軍人や大臣に付ける尊称です。)
パソコンなども置いてありましたが、全体的にかなり年季が入っていて、これがまだ現役で動いているのかぁと思いました。
1990年起工、1991年進水、1992年就役ということなので30年ですね。

ここで子どもたちが無線連絡に挑戦させてもらったり、質問をさせてもらいました。
プレリアルの乗組員は約100人とのことで、日本に来る前はベトナム・韓国に立ち寄ったそうです。
ミッションの期間は3ヶ月とのことで、海上では何日もネットがつながらない時期もあるとのことでした。
仕事で色々な国に行けるのはうらやましいですが、ご家族も心配だろうなと思います。
それに、この小さな船に100人!!プライバシーなどなさそうな環境での3ヶ月は厳しいですね。

日本の自衛隊の方も含めこの日であった方は皆さん親切でかっこいい方ばかりでした。
改めて軍人さんを尊敬する良い機会になりました。
素晴らしい機会をありがとうございました!